最近のニュースで「百日咳の感染拡大!」が報道されています
気になる症状と自分でできる予防策をしっかりと取って
感染のリスクを減らしたいですね
百日咳の感染拡大と大人の症状
百日咳は、百日咳菌という細菌による感染症で、特徴的な咳が長期間続くことが知られています
近年、乳幼児期に接種したワクチンの効果が減弱した成人での感染が増加傾向にあります
大人の場合、典型的な咳の症状が見られないことも多く、風邪と間違われやすいことがあります
大人の百日咳の主な症状は
長引く咳
2週間以上続くことが多いです
乾いた咳
痰が絡むような湿った咳ではなく、乾いた咳が連続して出ることが多いです
夜間の咳の悪化
夜になると咳がひどくなり、睡眠不足の原因となることがあります
激しい咳による合併症
まれに、強い咳のために肋骨の疲労骨折や結膜出血、頭痛などを引き起こすことがあります
大人の場合、子供のような激しい咳発作(スタッカートやウープと呼ばれるヒューという音を伴う咳)は典型的ではないため、診断が遅れることがあります
しかし、感染力はあり、特に抵抗力の弱い乳幼児への感染源となる可能性があるため注意が必要です
大人と子供、乳幼児 どっちが多い?
一般的に言える傾向としては以下の点があります。
乳幼児の重症化リスク
特に生後6ヶ月未満の乳幼児は、母親からの免疫が十分でなく、重症化するリスクが高いため、注意が必要です
学童期の感染
過去のデータを見ると、5歳から15歳くらいの学童期の子供たちの間で感染が比較的多く見られる傾向がありました
これは、ワクチン接種後の免疫が徐々に低下してくるためと考えられています
大人の感染増加
近年、成人の百日咳感染も増加傾向にあります
大人の場合、典型的な症状が出にくいため診断が遅れ、感染源となる可能性があります
2024年から2025年の状況について
東京都感染症情報センターのデータでは、2025年に入り、過去5年と比較して患者数が増加しています
静岡県島田市の報道にもあるように、大人にも感染が広がっていることが示唆されています
百日咳の検査方法
大人の百日咳の検査には、主に以下の方法があります
遺伝子検査(LAMP法、PCR法)
鼻の奥(鼻咽頭)を綿棒で拭い、百日咳菌の遺伝子を検出する方法です
発症早期から比較的感度が高く、迅速に結果が出やすいという特徴があります
培養検査
鼻咽頭拭い液を特殊な培地で培養し、百日咳菌を分離・同定する方法です
特異度は高いですが、菌の検出率は発症時期や抗菌薬の使用状況によって低くなることがあります
血清学的検査(抗体検査)
血液中の百日咳菌に対する抗体を測定する方法です
発症から2週間以降で抗体価が上昇するため、比較的遅れて陽性となることが多いです
医師は、症状や経過を考慮して適切な検査方法を選択します
百日咳の予防策
ワクチン接種
定期接種
乳幼児を対象とした五種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ)または四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)の接種が最も重要です
生後2ヶ月から接種が開始され、複数回の接種と追加接種が行われます
任意接種(追加接種)
学童期や思春期には、百日咳の免疫が低下している可能性があるため、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の追加接種が推奨されることがあります
成人への接種
成人に対しても、特に百日咳の流行期や、乳幼児と接する機会の多い人(妊婦、家族、医療従事者、保育士など)には、三種混合ワクチンの接種が推奨されることがあります
感染予防対策(飛沫感染・接触感染対策)
自分でできる!咳エチケットの徹底
咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆い、周りの人から顔をそむけましょう
使用後のティッシュはすぐに蓋付きのゴミ箱に捨てましょう
咳や鼻水の症状がある場合は、マスクを正しく着用しましょう
手洗いの励行
外出後や食事前、咳やくしゃみをした後など、こまめに石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう
アルコール消毒液も有効です
うがい
喉に付着した細菌を洗い流す効果が期待できます
環境の消毒
ドアノブ、手すり、スイッチなど、多くの人が触れる場所はアルコールなどで消毒しましょう
換気
定期的に室内の換気を行い、空気の入れ替えをしましょう
周囲への配慮
早期の受診と治療:咳が長引く場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう
早期の治療は、症状の悪化を防ぎ、周囲への感染拡大を防ぐことにつながります
感染者の隔離:医療機関の指示に従い、感染者は適切な期間、自宅療養や隔離を行いましょう
ワクチンは有料ですか
大きく分けて、定期接種と任意接種の場合で異なります
定期接種の場合
乳幼児を対象とした五種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ)または四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)は、公費負担となり、原則無料で接種できます
対象年齢や接種回数は定められていますので、お住まいの自治体の情報を確認してください
任意接種の場合
定期接種の対象年齢以外の方や、追加で接種を希望する場合は任意接種となり、有料となります
三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)
学童期や成人への追加接種として推奨されることがあります
費用は医療機関によって異なりますが、1回あたり4,000円~15,000円程度が目安です
成人用の百日咳ワクチン
日本では承認されていないため、接種できる医療機関は限られます
小児用の三種混合ワクチンを接種するか、輸入ワクチンを取り扱っている医療機関で相談する必要があります
費用は医療機関やワクチンによって異なります
任意接種の費用例(あくまで目安です)
三種混合ワクチン
4,400円~14,960円/回
医療機関によっては、初診料や予約料などが別途かかる場合があります

自分で簡単に実行できる予防策!
マスク着用・うがい・アルコール消毒等をやるだけで
感染リスクが大幅に減少します!
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